アーバンハイカムールの2階で洗面所の床面を調査
異臭がして、床面がふわふわするとの連絡あり
アーバンハイカムール2階の入居者より、洗面所から異臭がして、床面がふわふわする。
床面が腐り始めたような気がするので、早期の修理を求めるとの連絡が入る。
お客様から、排水管のつまりを考慮し洗浄剤で処理したが、効果が無かったとの説明あり。
直ちに現場の状況を確認し対策を実施した。
異臭の原因と対策
洗面台のU字管は塩化ビニールの排水管に挿入されている。排水管は地下の下水管に接続。
U字管が悪臭の進入を防止している。これは通常の仕様で問題無い。
ただし、良く見るとU字管が塩ビの排水管に挿入されている部分のゴムキャップに問題があった。
キャップは付いているが位置がずれ2ミリ位の隙間がある。
ゴムキャップを正しい位置に戻し隙間をなくした。
入居者様から24時間後に連絡が入る。「異臭が90%以上減少した。」
洗面化粧台下の収容部に物を入れる時にU字管に触れ、移動してゴムキャップがずれた可能性が高いと思う。
異臭を感じた時は後、私に連絡しえください。
ゴムキャップの状態等も点検します。
洗面所の床面がふわふわする問題
原因調査
・洗面所の床面がふわふわする現象を確認できたが、表面から見ても原因不明。
・原因がわかるまで分解し調査することにした。
・洗面台、洗濯機、洗濯機用防水パン等を取り外しキッチンに移動する。
・クッションフロアを剥がし下地を出す。
・必要ならば下地も剥がして原因を調査する。
・原因が解ったら、必要な部分を交換し元に戻す。
・下地を貼り、CFを貼り、設備を元に戻す。
作業期間
・職人2名だけでなく、私も補助作業を担当する。計3名で作業し2日で完了する。
(念のため予備の1日を加えて3日とする。)
・室内にバイパスを設け、作業中もトイレや浴室を利用できるようにする。
・入居者にこの作業内容と日程を説明し、入居者の希望に合わせて作業を開始。
床面を剥がし原因を調査
作業開始(洗濯機)
・洗濯機を取り出す。
・洗濯機の防水パンを外す。
・こちらの作業は問題無く順調に進む。
作業開始(洗面化粧台)
洗面化粧台を外す
・平行して洗面台の上部(鏡の部分)を外す。
・ACケーブルを抜く。
・下側の収納部分を外そうとするが問題発生。
・U字管とゴムキャップは外せる。
・銅製の給湯管なのでコツがいる。
・職人から、スチールのように力を加えると変形するか裂傷ができると脅される。
・慎重にお湯と水の配管(2本)を外す。
・洗面台(下側の収納部)を取り出す。
クッションフロアを剥がす
簡単に処分するため、CFを10センチ角に裁断しながら剥がす。
剥がす途中で下地の止め方が異常だと気づく。
下地がむき出しになる。
下地の止め方が間違っている
対策(単純な修復作業)
原因は単純
・CFを全て剥がして下地全体を見ると、固定用の釘が浮いている。
・下地が経年変化で数ミリ反り、固定用の釘が緩んでいる。
・その結果下地に乗ると、緩みの分だけ上下に移動する。
・.これがふわふわの原因で、腐っているわけではない。
誰もが新築時の大工さんの技能を疑う
・常識では抜け防止のために釘を傾めに打つが、ここは垂直に打っていた。
・釘の本数も極端に少ない。
・初歩的なミスで残念。
・新築中に気が付けばやり直しを要求できたが、CFが貼ってあるので確認できない。
対策
コースレッド(木ねじに似た留め具)で固定
・釘を使わず、コースレッドで下地を斜めに締め、今後の緩みを防ぐ。
・常識的な本数を使用し確実に固定する。
・その結果うふわふわが止まる。
クションフロア貼り付け
・新たに購入した木目調のCFを張る。
・壁との境界部分の形状が複雑なので、型紙を用いながら慎重に切断。
・クロス貼りよりも困難しい。
設備を戻す
洗濯機
・洗濯機の防水パンを戻す。
・洗濯機を戻し上下水道を接続する。
洗面化粧台
・洗面化粧台の下部を戻す。
・お湯と水の配管を接続。
・U字管を接続し、ゴムキャップをかぶせる。
・洗面化粧台の上部を戻す。
・ACコードのプラグを接続。
・接続部をコーキング材で処理
動作テスト(主に漏水)
・正常終了
入居者様に状況を説明し引き渡す。
・配管を接続したのでいくらか空気や遺物が含まれていることを説明。
・数日間を注意して使用することを求める。
反省と今後の展開
原因を予測できれば
・トラブルの原因が釘の緩みだと予測できれば、CFの上から下地を固定できた。
・私だけで対応できる作業で、お客様を待たせることもなかった。
・数万円の修理費も発生しない。
・一度経験したことを記録し次回のトラブルに備えたい。
次回のトラブルに対して
・他の部屋が類似の状態になったら、クロスを剥がす前に、床板全体を締め直す。
・洗濯機や洗面化粧台を設置したまま修理できる(と思う)。
・過去の経験から、アパートで一度発生したたトラブルは、同時期のアパートで再発しやすいことを理解している。
・今回の事例は退去時の点検項目に加える。
・次回のクレーム時は冷静に対応したい。
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