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築古戸建住宅のリフォームとリノベーション

宇都宮の大家は、新築後35年から37年経過した戸建賃貸住宅8棟を維持管理中

陽東開発は1983年から1985年に新築した木造平屋建ての賃貸住宅を所有しています。

この頃はアパートよりも戸建て住宅を新築するケースが多く、半径1.5キロメートル以内に類似の物件が20棟以上ありました。その後建て替えが進み当社の物件だけ残りました。

退去のたびに、室内のリフォームと室内外のリノベーションを実施した結果、現在の入居率は100%です。 

建物の外観と平面図

主な仕様

平屋の戸建賃貸住宅 8棟

1戸の床面積 60.79㎡

1戸の敷地面積 約300㎡

 

間取り 3SDK

6帖相当の洋室2部屋 4.5帖相当の洋室1部屋 8.5帖相当のDK1部屋。

Sは外部から出入りする1坪タイプの収納庫を意味し、バイクの格納等に利用できます。

 

敷地の概要

最初は戸建て住宅15棟を新築する予定でしたが、資金が不足し8棟で終了。

残った土地はアパート1棟(8世帯)と25台分の駐車所に変更しました。 

建物の維持管理

古い木造戸建て住宅を維持するために、あらゆる部分がリフォームとリノベ―ションの対象になります。

職人に仕事を依頼する時に、「将来は自分でリフォーム作業を実施できるようになりたい」と説明し協力を求めました。作業を手伝い指導を受けながら建物の維持管理について経験を積むことができました。

その結果、今では退去時にリフォーム作業を実施できるようになりました。

 

塗装によるリフォーム (初心者向きの簡単な作業)

劣化した部分を塗装すれば、美観が向上し耐久性も増すと思います。

・テラスの木部を塗装。

・北側にある倉庫の扉2枚は3ミリ厚の耐水ベニヤを貼り換え、塗装で仕上げます。

・下駄箱の外側と扉を塗装。

・室内の木部を再塗装。

・玄関と勝手口の金属製ドアを再塗装。

・室内の木製のドアと引き戸を再塗装。 

・劣化の状態を見て部分的に塗装。

壁面の保守 (難易度が高く最初は失敗した)

昔の砂壁は状況を見極め、入居者と相談しながらリフォームを実施。

・現状維持

 

・固定用スプレーで固める。

・上から石膏ボードを貼ってクロス仕上げ。

・上からベニヤ板を貼ってクロス仕上げ。

・湿度の調整機能に拘るお客様には、現状維持またはうまーくヌレールで新しい壁面を作り出す等

クロスの塗装 (経済的な効果無し)

・クロスの汚れを落とし、クロス専用の塗料で表面を再塗装。

・予想よりも塗料が高く、張替よりも時間がかかり経済的なメリット無し。

・約60㎡の2LDKで1度だけ実施したがその後は中止。(サンガーデンとは別のアパートで実施)

・塗装したクロスは剥がしにくいため次回のリフォーム時に手間がかかる。

クロスの張替 (最も簡単なDIY)

・クロスの張替は室内リフォームの基本。

・道具が有ればだれでもできる簡単な作業で、失敗してもやり直せる。

・クロスの仕様により、材料単価が大幅に異なる。

・模様付のクロスを採用すると30%以上が無駄なる可能性あり。

 

・常に壁面全体を貼り換える必要はない。

・子供の落書き等は腰壁にすることで対応できる。

・一部の汚れ等はアクセントクロスの導入で対応できる可能性が高い。

クロスの張替は糊付けと裁断の自動化が重要

宇都宮市内には、この作業を引き受けるホームセンターが有り、購入したクロスの裁断と糊付けを依頼できる。

糊付け後に袋に入れておけば10時間くらい放置しても問題無く貼り付け可能。

 

糊付のクロスが市販されているが種類が少なくデザイン性に欠ける。

専用機で自動化しなければクロスを準備できない。

手作業で裁断すると時間とクロスが無駄になり自分でやる意味が無い。

 

建物周囲のフェンスは塗装で対応

1回目は電動スプレーで処理

・スプレーガンは作業が早くきれいに仕上がるが、塗料が無駄になる。 

・塗装の対象付近に自動車や貴重品があると塗装防止に手間どる。

 

2回目は主要部をローラで仕上げ、細部は刷毛で対応。

・対象面に合わせてローラを選択することが重要。

・手元を見るとムラが有るが離れて見れば問題なし!(ただのフェンス)

 

3回目を実施する時期になったが作業時間を取れずほったらかし。

・近日中にやる予定で塗料を購入済(とりあえず一斗缶で2缶)

浴室のリフォーム (写真付きで説明)

・浴室は劣化しやすく、退去の度にリフォームが必要になるがDIYでは対応困難

・当社が所有している戸建て賃貸住宅8棟で実施したリフォームの内容を説明したい。

・浴室は建物の維持管理者の考え方と、作業を実施する業者の力量が問われる場所だと思います。

新築時はバランス釜を採用 1983年より

新築時はバランス釜を採用しました。昔の建築を知らない世代は見たことが無いと思いますが、これが当時の標準的な設備です。タイル貼りで施工した浴室も標準的な仕様です。

モルタルで床面を作り凹部に浴槽を設置し、隣に湯沸器を設置しました。バランス釜と浴槽の側面をパイプで接続しお湯を循環させる構造なので追炊きも可能です。当時としては画期的な製品だったと思います。

しかし室内に湯沸器と浴槽が並ぶので、洋式の広くて浅い浴槽を採用できず、和式の狭く深い浴槽を設置しなければなりません。お子様やお年寄りには少々扱い難い製品だと思います。

 

給湯器を室外に移動し、浴槽を変更すればこの問題を解決できますが、簡単には変更できず予想以上の費用が発生します。 

公共下水の工事完了により各部のリノベーション開始 1996年

1996年に宇都宮市の下水道工事が完了し利用可能になりました。(上水道は新築時から利用できました。)

雑排水を下水道に排水するだけでなく、浴室の機能を見直し改善しました。8棟全部のバランス釜を撤去し、浴室付近にLPG給湯器を設置しました。

バランス釜が無くなるので大きな浴槽に交換できますが、左官工事の費用と浴槽の購入費用が発生するので断念しました。

既存の浴槽をそのまま利用し、配管も整備せずそのまま利用していました。

配管を修正して浴室内を整理

配管の位置を変更し浴室内を整理。

退去時には床面とタイルの部分と浴槽を清掃で仕上げ、壁面の上部と天井部分を塗装で処理しました。

壁面のリフォーム

今でも入居者が退去した時は床面と浴槽の清掃だけでなく、壁面の上部(タイルの上)と天井を再塗装しています。

浴室を解体しユニットバスに変更 2015年1月のリフォーム(1回目)

新築の賃貸物件はユニットバスを採用しています。左官の職人が手作業でタイル貼りの浴室を作るよりも、規格品のユニットバスを組立てる方がコストが安く、見た目も良くなるので当然の結果です。

時が流れタイル貼りの浴室を見たことが無い世代が賃貸物件を探すようになりました。浴室を見た瞬間に興味を失うこともあり、浴室のリノベーションを検討し実施しました。

 

昔の木造住宅で浴室のリフォーム工事の経験が豊富な業者を探し、複数の業者と相談しながら応用力のありそうな業者を選択しました。この業者にリフォーム作業を依頼し実施した時の記録です。

実際の作業内容

浴室を解体し木造の骨格まで戻さなければユニットバスを設置できない。

モルタル造りの床面と壁面を解体(破壊)し産業廃棄物として処分。この費用は総工費の20~25%に達し無視できない。

作業内容が興味深く、撮影できませんでした。

 

既存の窓を再利用するために、ユニットバスの壁面を追加加工した。(加工費が発生する)。 

ユニットバスの仕様に合わせて配線と配管をやり直す。

室内灯は利用できず新品と交換。  

上記の写真は産業廃棄物を取り除き清掃した後の状態。現場に合わせてユニットバスも修正します。

完成後のユニットバスの室内はシンプルですが裏側は複雑です。新築時はユニットバスに合わせて構造材等を配置できます。しかし今回は既存の建物に合わせるために補正作業が求められます。手順も複雑になり建物に合わせて部品を並べ部分的な修正を施しています。 

組立前のユニットバスの部品です。面単位で作られているため予想外の大きさです。狭い室内では作業の妨げになるので庭に並べました。この工事では作業用のスペースが必要になります。 

部分的に解体された室内を見ると築年数相当の建物だと思いますが、ユニットバスが完成すれば隠れるので気にしません。配管や配線の位置を合わせています。

ユニットバスの組込作業

組立作業の前に各部品が搬入されています。

 

浴室内に部品の一部が設置されました。 

裏側を撮影しているので違和感が有ると思いますが組立作業は正しく進行しています。 

完成(実際の利用状況)

ユニットバスが完成しました。完成直後だけでなく、お客様が実際に利用している状態を撮影させていただきました。

 

評価

入居されるお客様にとってユニットバスは魅力的な設備だと思います。しかしリフォーム(リノベーション)必要な費用は家賃に換算すると、1.5年分に相当します。簡単に採用できる設備ではありません。大家としては迷いが有ります。

 

 

ユニットバスに変更した時の費用(1回目なの全てお任せ)80万円

ユニットバスの導入に再挑戦 2019年6月のリフォーム(2回目)

2019年に空室ができたので、再びユニットバスの導入に挑戦。

1回目で工事の全体を理解したため、業者に全ての作業を発注せずコストを削減した。

 

さらに交渉の結果、費用の一部がサービス扱いで無料になった。

 

特殊な設備や工具が必要な作業は業者に依頼する。(自信が無い作業には手を出さない。)

建物の一部を解体し産業破棄物を処分

解体作業により工業廃棄物が出る部分とそれを運搬し処分する部分の写真が有りません。私の都合で立ち会えませんでした。

解体後の配線配管工事

事前の処理が終わり、ユニットバスを組込む準備ができたところを撮影しました。 

配線・配管処理

場所により固定された配管とフレキシブルな配管を使い分けています。この画面で見える部分は完成時に隠れます。

ユニットバス組込

浴室の入り口部分を設置しました。

ユニットバス完成

自然な形に収まりました。既存の窓を流用していますが違和感はないと思います。業者も私も経験を積むことでスムーズに作業が進むようになりました。

リフォーム費用(2回目なので一部の作業をDIYで対応)62万円

総工費が80万から62万に減少した内訳

内訳書の比較

約4年が経過したが、住設機器は248,900から247,200で少し減少。(ユニットバス単体は予想よりも安い)

工事費は434,800から281,550に減少。

産業破棄物処理費は54,000が50,000に減少。

諸費用は73,000が無料。(サービス扱い)

出精値引きは-69,950が-4,676に減少。

 

工事費の明細を比較

解体・土間コン打設工事は158,300が158,300で変化なし。

木・内装工事は126,900が無料(業者に依頼しないため)

給排水設備工事は121,200から87,000に減少(理由不明)

電気工事は28,400から36,250増加(理由不明)

 

パネル工法による究極のDIY ?

8棟中の1棟は、ご主人が設備工業に勤務しており、時間を費やし自分で浴室をユニットバス風にリフォーム済。浴室を解体した様子がないので、するおそらくパネル工法を採用した究極のDIYだと思います。

 

 

2015年に調査した時に、浴室の内装材(プラスチック材)を集めて組み立て、完成時にはユニットバス風に見える工法と材料の説明がありました。手間がかかるので職人に依頼するとユニットバスへの変更と同様の費用が発生します。(解体費と処分費が人権費に代わるだけです。)

 

DIYで工事すれば、タイルやモルタルを解体せず産業破棄物が出ないのでその効果は大きくなると思います。

(未経験のため詳細不明)

浴槽をシールで再生 2022年6月のリフォーム(DIY)

従来は塗装で対応していた部分を浴室専用シールでリフォームしました。

利用前の状態

浴室の壁面や天井は塗装で対応できるが浴槽を塗装することは難しい。塗料を選び実施しても1色で塗るだけで終わる。

シール貼付後

最近は浴室用シールで浴槽のリフォームを実施している。

ただしクロスよりも粘着力が強く張り直しはできない。1回目の貼り付け作業ではシワができ失敗。2回目は2名で時間をかけて丁寧に作業を進め成功した。広い面積に貼付ける技術を身に付ければ浴室のタイル上部に貼りデザイン性を高められると思うが、空室が無く実施例は無い。

 

ネットで素材を購入したが、カタログ上の全製品は在庫が無く一部の製品しか選択できない(取り寄せは可能)。

時間があればテーマ別に各種のデザインを選択できる。